IT業界のSIerの会社で働いているポチのすけ(@pochinosuke1)です。
SIerの会社では営業として、エンジニアの人たちと一緒にプロジェクトを進めています。
SIerは、「やり方が古い」「最新の技術についていけていない」などの様々な理由により、オワコンとか、将来はなくなるんじゃないか、などとマイナスのことをよく書かれる仕事。
SIerで働くぼく自身、自社以外の他社のSIerとも関わって仕事をしているので、そのように思う人がいるのもわかるな、と感じています。
SIer(エスアイアー/エスアイヤー)とは、
システムインテグレーター(System Integrator)の略で、システムを構築する会社のことです。
会社で使うシステム(会計システムや業務システムなど様々)の
- コンサルティング
- 設計
- 開発
- 運用
- 保守
などを、一括で請け負って構築します。
SIer1社で完結することもあれば、部分部分を他社へ依頼して構築することもあります。
本記事では、
SIerで営業をやっているぼくの経験から、SIerはオワコンなのか?について、今後の見通しも含めて解説します。
結論から言うと、オワコンかどうかは、SIer全体の話ではなく会社によるというのと、世の中のニーズに応えられるかで決まります。
自社サービスを展開しているWeb系の会社に行くことで、万事解決するような単純な話ではないことは確か。
もし、自分が働いているSIerがオワコンだった場合の対処法についても、解説しています。
それでは、ご覧ください。
SIerがオワコンと言われる理由

SIerで働いている人やSIerで働いた経験者から、SIerがオワコンだと言われる理由は以下の3つに分けられます。
- 最新の技術についていけていない
- 考え方や働き方が古い
- 今後は自社でシステム構築していく(内製化する)からSIer不要
ひと昔前までは、このような意見も多かったと思いますが、昨今の働き方改革で急速に変わってきている部分もあり、誤解されている部分も多いと思います。
理由①最新の技術についていけていない
SIerがオワコンと言われる理由として、最新の技術についていけていないというのがよく挙げられます。
結論から言うと、時代の変化に適用し続ける会社や、最新技術を使った新しいサービスを提供するような会社は生き残るので、誤解されている部分も多いと思います。
有名どころの日立製作所や、野村総合研究所(NRI)などは、50年~100年くらいの歴史があります。
会社の歴史が長いと、
「やり方が古いんじゃないか?」
「最新の技術についていけていないんじゃないか?」
「斬新なアイディアが出づらくてイノベーションが起きないんじゃないか?」
という、イメージがつくことで変化の激しいIT業界で生き残れないのでオワコンだと思う人が多いのではないでしょうか。
確かに会社によっては、新しいサービスよりも、古い自社サービスをずっと展開しようとしているところもあります。
ただ、変化が激しいIT業界では、時代の変化に適応した会社が生き残るので、歴史がある会社であっても、変化してきているのが見られます。
最近では、今までコピー機をメインで売っている会社でも時代の変化に適応しようと、システムをクラウド化するような新しいサービスを展開しようとしていますからね。
また、お客さんのニーズも時代の変化に合わせて変わってくるので、ニーズに応えられる会社が、コンペになった時に選ばれる傾向が強くなってきていると感じます。
理由②考え方や働き方が古い
SIerがオワコンと言われる理由として、考え方や働き方が古いというのも挙げられます。
結論から言うと、最新技術をうまく活用する新興企業の存在や、昨今の働き方改革やより変化がみられるため、結局は会社次第です。
確かに、考え方が古い会社だと、新しい技術よりも古い自社サービスの方をおすすめする会社もあります。
理由として、
- 古くても自社サービスの方が利益になる
- 査定で自分の評価が上がる
というようなもの。
具体的には以下のような形で、古い自社サービスを入れたいSIerが、邪魔するようなことも起きています。
こうなると、お客さんとSIerが揉めるので、今後の取引にも影響が出ることもあります。
また、労働時間が長いとか、客先常駐が多いなどの、働き方に自由が少ないという実情が、SIerはオワコンというイメージにつながっている部分もあります。
ただ、ここも本当に会社次第。
ぼくが働いている会社はSIerですが、以下のような勤務体系なので、むしろ時代を先取りしている感すらあります。
- 勤務体系がフレックス制で、ある程度の自由が利く
- コロナ禍を経てテレワーク(在宅勤務)を継続しており、月に数回しか外出しなくても業務が回る
エンジニアの客先常駐についても、営業の交渉次第である程度はコントロールは可能。
ぼく自身、できる限り客先常駐ではなく、自社内で開発できるようにお客さんと話をしています。
システムをきちんと構築するというゴールのために、どこで開発するのかは手段でしかないので、きちんと自社で開発するメリットを伝えれば納得してもらえますよ。
理由③今後は自社でシステム構築していく(内製化する)からSIer不要
SIerがオワコンと言われる理由として、今後は自社でシステム構築していく(内製化する)からSIer不要という意見もあります。
結論から言うと、日本では、SIer抜きでシステム構築をするのは難しいため、SIerが完全に不要とはならないでしょう。
この手の意見では、「アメリカにSIerはいない。日本でもオワコン化するに決まってる」という考えです。
理由として、アメリカ企業が日本企業よりも先を行っているからSIerが不要で、ゆくゆくは日本でも同じようにSIerがオワコン化するというもの。
ただ、アメリカにSIerがほとんどいないのは、アメリカの雇用体系が終身雇用ではなく、専門性を持ったプロたちが流動的に動く仕組みであることが理由です。
システム構築のプロは、製造業にも金融業にも会社に直接雇われています。
そのため、日本でSIerがやる仕事を社内でやってしまう部分があります。
日本もアメリカみたいに自社で内製するには、終身雇用ではなくその時その時で人を雇えばできるかもしれませんが、日本がそこまでやるとは思えないんですよね。
日本で、自社内でシステムを内製しようとすると、
- 人手不足
- うまく育成できない
- コア事業以外に予算や人を割くぐらいなら、外注する経営方針
などにより、文化に合わない気がします。
なので、SIerに依頼するんですよね。
しかも、ぼくが働いてみて感じるのは、
現在の日本の社内SEは、大企業であっても、ゴールまでのスケジュール管理をきちんと頭に思い描けて動ける人は少ないということ。
ぼくらの提案したスケジュールでは、余裕を持たせてスケジュールを引いていても、
- 期限までに必要な機材や情報を準備できない
- 優柔不断で決められない
などで、スケジュール通りに進まないことが多いんです。
実際の現場では、ぼくたちSIerが何度も何度も依頼して、ようやくプロジェクトが前に進んでいるのが現実。
内製化をしようとした時には、ゴールまでの段取りまで意識しながらきちんとプロジェクトを進める必要がありますが、現状そうは見えないため、内製化は現実的に難しいです。
また、社内で内製化しようとして失敗したので、技術支援をしてほしいという依頼もよく受けます。
なので、日本ではSIer抜きでシステム構築するのは現実的ではないと、言い切れる現状があります。
SIer全部がオワコンということではない

前述してきたように、SIerがオワコンっていうのは誤解で、実際は会社によるというのが正しいです。
SIerに限らずビジネスで大事なのは、相手のニーズに応えるということ。
お客さんが求めていることに、きちんと応える提案をできるSIerが、オワコンにならずに生き残っていくことになります。
逆に言うと、ネットで称賛されているWeb系の会社であっても、世の中のニーズに応えられていない商品やサービスを提供できないと、オワコンに。
SIerは物売りではなく、お客さんが求める最適なシステムを構築して提供するのが仕事。
そのためには、問題を解決する柔軟な提案ができるように、最新情報をつかんで知識を身につけて、変わっていかないといけません。
お客さんが基盤のクラウド化を求めているのなら、AWSやAzureなどの提案をする必要があります。
業務効率化を求めているのなら、RPAやデータベースの構築などシステムの自動化が必要。
実際、多くのSIerは、時代の変化に合わせて変わってきており、以下のように進化していっています。
- 最新の技術についていこうとするSIer
- 考え方や働き方を変えていっているSIer
最新の技術を身につけようと、優秀なエンジニアを多く雇ったり、自社の提案商品に取り入れるSIerも増加傾向。
例えば、最近は色んなものがオンプレミスからクラウドに移行されており、世の中のニーズに合わせてSIerも提案商品を変えるなどの変化ですね。
また、優秀な人材を集めるためには、働きやすさや報酬などが魅力的であるのも大事なため、考え方や働き方を変えようとしているSIerも増えてきています。
最近では、オフィスを縮小して永続的なテレワーク(在宅勤務)をしようとしている会社も出てきているので、働き方は確実に変わっていくでしょう。
なので、SIer全部がオワコンというわけでは決してなく、会社によって全然違ってくるんです。
働いているSIerがオワコンだった場合の対処法

もし、働いてるSIerがオワコンだった場合、最も効果的で即効性がある対処法は転職すること。
前述してきたように、SIerがオワコンかどうかは、会社の考え方や働き方によって大きく変わります。
そのため、自分が働いている会社がオワコンだったら、もっと良い会社に移って力を発揮したほうが自分へ返ってくるものが大きいです。
転職する際、営業とエンジニア両方に共通するやるべきことは、以下の2つ。
- 良い転職エージェントを使って自分に合った求人を引き出す
- 口コミを見て会社の現実を把握する
希望の転職先に行くためには、募集があるのかと、自分の考えに合う会社を見つける必要があり、それを助けてくれるのが転職エージェント。
転職エージェントは、無料で以下のようなサービスを受けられるので、使わない手はありません。
- 非公開求人含め多くの求人を紹介してくれる
- 書類や面接対策について親身にアドバイスしてくれる
- 企業に交渉してくれる
また、求人情報は水物。
採用が決まれば募集終了になってしまうので、情報収集を早めに行い、良い会社の求人を見逃さないようにしましょう。
なお、転職エージェントは、2~3社は登録するようにしましょう。
1社の転職エージェントだけだと、求人の取りこぼしが起きる可能性が高く、機会損失になるからです。
では、
- エンジニアの方におすすめの転職エージェント
- 営業の方におすすめの転職エージェント
- 口コミの利用方法
について見ていきましょう。
エンジニアの方におすすめの転職エージェント
エンジニアの方におすすめの転職エージェントは、エンジニア転職に強く、多くの求人をカバーしている、マイナビIT AGENT、
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マイナビIT AGENTは、業界大手のマイナビが運営するITエンジニア専門の転職エージェント。
特長は以下の通りです。
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- 北海道・名古屋・大阪・福岡にも対応しているので安心
- IT業界に精通したキャリアアドバイザーから書類添削や面接対策も受けられる
特に、20代~30代のITエンジニア転職に強いため、20代~30代の方にはおすすめの転職エージェント。
デメリットは、大都市圏以外の地方にはそこまで強くないというところです。
ただ、まったく求人がないわけではないので、転職を考えている場合、まずは登録して探してみましょう。
思わぬ掘り出し求人が出てくることも。
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レバテックキャリアは、IT・Webに特化した専門の転職エージェント。
特長は以下の通りです。
- レバテックキャリアだけが持っている優良求人・非公開求人が多い
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マイナビエージェントです。
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- 特にIT・Web系の会社に強い
- 東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)の求人に対応
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- 転職エージェントが、企業ごとに面接の重要ポイントを親身にアドバイスしてくれる
- 年収交渉や企業への後押しなど、企業に交渉してくれる
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マイナビエージェントがおすすめの理由は、以下の記事でも詳しく解説しています。

口コミの利用方法
また、合わせて絶対にやるべきなのが、口コミによる確認。
ホームページや求人情報だけでは、ブラック企業かどうか判断することが難しいためです。
可能であれば応募する企業は、一度口コミを確認しましょう。
※時間がなくて厳しい時は、少なくとも書類が通った企業については、面接前に口コミを確認する形で対応しましょう。
口コミを利用した会社の探し方については、以下の記事でも詳しく紹介しています。

SIerはオワコンなのか?まとめ
お話してきたことをまとめます。
SIerは、以下のような理由からオワコンと言われることが多いですが、SIerは、オワコンではありません。
- 最新の技術についていけていない
- 考え方や働き方が古い
- 今後は自社でシステム構築していく(内製化する)からSIer不要
オワコンかどうかは、SIer全体の話ではなく会社によるのと、世の中のニーズに応えられるかで決まります。
なので、SIerであってもWeb系の会社であっても、世の中のニーズに応えられるように変化し続けられるかが、オワコンにならないための大事なこと。
ただし、自分が働いている会社がオワコンだった場合、自分ではどうにもならないことの方が多いので、転職して良い会社に行きましょう。
SIerはオワコンだと思っている方にとって、参考になれば嬉しいです。
どうも、ポチのすけ(@pochinosuke1)でした~
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